いつもとちょっとちがうお仕事 3 ー 藤 貴子 

 

夜鳴く虫の声が耳に心地良い季節ですね。

 

前々回から「音声解説」について
お話してきましたが
伝えたい事がありすぎて収拾付かず(笑)
そろそろまとめなくては!

 

さて、なんやかんやと不安がありましたが、
コロナにも負けず無事に迎えた収録当日。

 

ナレーションに不慣れな私のために、
ディレクターのNさんは
良いテイクが録れるまで
かなり粘って下さいました。

 

特に、作品に合った
語り口調を見つけるのに
時間がかかりましたが、
Nさんが

「きちんと喋るというよりは、
藤さん節(ぶし)でいいですよ〜。
どんどんお芝居しちゃって下さい!」

と言って下さったので、
かなり気が楽になって有り難かったです。

 

そして奥深かったのが、台本。
「音声解説」の台本は、
視覚に障がいのある人が
映像を耳で楽しむことを想像しながら、
必要な情報を映像からキャッチして、
それを文章にする。
しかも限られた時間の中に
その文章を入れ込むので、
情報量は必要最小限にしなくてはならない。

 

作品がホラーでしたから、
場面が一瞬にして現在から過去に飛んだり、
映像がモノクロになったり。

これ、どうやって文章にするんだろう?

と思うようなシーンも沢山ありました。

 

その台本を書いたのもNさんです。

「説明し過ぎてもダメなんです。
想像させて欲しいと言う人もいて」

「視覚障がいの人達のためだけでなく、
皆がより理解を深めるための
お手伝いにもなればと」

休憩中、何気ないNさんの言葉に
何度もハッとしました。

 

そして、こうもおっしゃっていました。

「吹き替えの仕事でも、
原音とは異なってしまうけど、
台詞がわかりにくいところは
敢えてわかりやすく変えたり。
だから、わかりやすく伝えるための気遣いが
当たり前になってるのかもしれません」

 

「吹き替え」から「音声解説」へ。
分野は変われど流れている思いは同じで、
表現することに垣根はないのだな、

と改めて気づかされました。
いつもとちょっとちがうお仕事は、
私の大切な宝物になりました。

 


「藤 貴子Twitter」


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