扇風機 ー 横山俊二

 

涼しくなると途端に
扇風機に足をぶつけてしまう。
暑いときは、
文明の利器だと重宝していたのに、
なんと身勝手だろうか。
来年もまたすぐに使いだせるように
掃除をして感謝しながら納戸に終う。
この作業、家では私しかしない。
4台も有る。

 

掃除中にある疑問が?
けが防止の格子とプロペラに、

なぜこんなにもホコリが貯まる?

のだろうかと。
どんなに溜まっても使途が無い。
格子の数が少なければ掃除も楽なのだが、
それでは格子の意味をなさない。

 

私は何も持たずに生まれてきて、
何も持たずに消えてゆく定め。
今まで身を守るために、
いろいろな防護柵をまとってきた。

 

どんな埃がたまっているだろうか。
きっと役に立たない「欲」ばかりかも。
そもそも防護柵が欲で出来ているから…。
しかし、格子のお陰で
3人の子宝にも恵まれた、感謝。

 

我が家の菩提寺には、毎年銀杏が鈴なり。
子供の頃、
彼岸に連れてゆかれて墓掃除の後、
生っている銀杏を落とそうと
棒切れを投げる。
落ちているのは拾わずに、
落した物を拾いたいからだ。

 

「そんなことしてたら、
仏様に叱られますよ」

としかられた。
場所がお寺だけに意味わからずとも、
妙に納得した。
仏様って別な所にいると思っていたのだが、
なんと自分の中に居た。

 

必ず現れて、その存在に気付くときは、
嘘を付く時。
良く視ているのですよね、
口では何も言わないけれど。
仏を私という欲の格子で
覆って居た事に気づく。

 

宝石のように透明感のある緑色の銀杏は、
酒の肴にぴったりだ。
幸いにも、中毒症状は出ない。
食べるに至るまでは面倒でも
このおいしさはやめられない。
ありがたい逸品を頂いた、
来年も拾いましょ!

 

柏屋米菓手焼き本舗WEB


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