着火する、声と言葉 ー 青羊(けもの)

 

こないだラジオ番組で
森達也(映画監督、作家)さんが

「声は人を表す(容姿や性格)」や
「自分の本来の声ではない声で
時間を過ごすことは自分に
負荷がかかっている」

などと話されていて、
とても心に引っかかった。
そして、

「1日の間、どれくらい
作らない(飾らない)声で
生活しているんだろう?」

という疑問が湧いた。

 

家族、友人、仕事場、
大勢の前で話す時、
相手ごとに声を使い分けるなんて
当たり前かもしれないけれど、
それを無意識でいるのと、
意識するのとはやっぱり違う。

 

ふと、レコーディングで歌う時、
声ってなんて繊細なんだろうと
感じたことを思い出す。
身体や心が強張っている時、
ふっと力が抜けて笑顔になった時、
聴こえてくる声の響きが全然違ってくる。
肩の力み、腕の位置、口の中の広さ、
渇き具合、呼吸などに影響され声は変わる。
心の状態が表れる。

 

ところで、
最近ハマっているアニメがある。
「船を編む」だ。

 

1話につき23分。
合計11話あり、毎回1つの言葉の語釈を
紹介してくれる。
例えば、5話目の言葉は以下だった。

たゆたう【揺蕩う】
ゆらゆらとゆれる。
「行き場を見失った心は、
大海をーーー小舟のようであった」

 

【揺蕩う】が主人公の心情と結びつき、
さらには自分の中にも同じ感情を見つけて
切ない気持ちになった。
そしてまた、

「伝える時、適切な言葉を
選んでいるだろうか?」

と疑問が湧いてきた。
方向は間違っていないけれど
今の言葉ちょっと違うんだよな、
ともやもやすることがある。

 

本を読み、話し、
メールを送り、ラジオを聴く。
そして、驚きや発見をくれた言葉は
メモをする。
言葉を声で発した時、
様々な音の形ができる。
その形の中に光を見つけた時、
心が着火して熱くなるのを感じる。

 

それと、こないだ
極潤プレミアム」CMの
ナレーションをさせて頂きました。

 

最後に、今回で私のコラムは
最後となりました。
この機会を与えてくださったことに
感謝いたします。

 


「けもの」Web


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA