終わりのない色 ー 山﨑悠貴

 

森はすっかり落葉して、
遠い山並みも透けて見える。

 

8000坪の森に降り積もった落ち葉は、
すごい量だ。
平坦なところでも厚さ7センチ。
吹き溜まりならもっと深い。

 

色鮮やかだった葉は、
地面に落ちた後も
しばらく色を保っていたから、
古い絨毯のようだった。

 

赤や黄色が消えて茶色くなり、
いよいよ色彩に乏しいと思っていたら、
褐色の先にも変化があった。
(何度も秋を見てきたのに気付かなかったのが悔しい)
光るような茶色から、艶のない灰白色へ。
山で見つける動物の骨にも似た色。
大往生で亡くなった人の色にも似ていた。

 

終わりの色というのは白だろうか?

そう考えて、また打ち消した。
いまはまだ葉の形を残しているけど、
その形もじきになくなる。
微生物が分解して土に還り、
養分として木に吸われ、枝葉に行き渡る。
繋がっていて、終わりがない。
終わりを思って感傷的になるのは、
自分勝手な思い込みなのかもしれない。

 

薪を作るには、木の中の水分が
最も少ない時期に伐ると効率がいい。
落葉して、芽吹きのための
水の吸い上げを始める前までが、伐り時だ。

 

木が形を変えて薪になり、
薪が燃えて白い灰になる。
それを土に蒔けば肥料になる。

 

長いわっかのようなサイクルの中に、
私の暮らしも乗っかっている。

 


落ち葉が重なりあうといい匂いがする。
冬の匂い

 


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