もうひとつの顔 ー 土屋裕一

 

10年間使ってきた
suiranのロゴマークを新しくしました。
僕にとっての本の存在が、
この10年で変わったことが
大きな理由です。

 

どことなく本を
崇高(すうこう)なものとしていた10年前。
今は、もっと身近な存在として
本に接しています。
買うだけでもいい。読めなくてもいい。
ただそこにあるだけで十分。

 

デザイナーさんとは春に打ち合わせをして、
そういった本に対する思いを
お伝えしました。
待つこと半年。

「難産でしたが準備できました」

とメールが届きました。
生まれ変わったデザインはこちらです。

最初の打ち合わせの席で、
山盛りの抽象的な言葉のほかに、
2冊の本をお渡ししました。

 

詩人の長田弘さんのエッセイ
『なつかしい時間』と、
写真家のジョエル・マイロウィッツの
作品集『Cape Light』です。

 

マイロウィッツが撮った、
美しい光に包まれた風通しのいい光景と、
長田さんが伝えてくれた、
いつの世にも変わることのない大切なこと。
そんなエッセンスを
盛り込んでほしいと託した2冊でした。

 

 

デザイン案に添えられていたお手紙には、
新しいロゴマークに込めた想いが
綴られていました。

光があれば、本を読める。
本を通して、光に触れる。

ふわふわとしていた僕の要望を
見事にくみとっていただけました。

 

店舗のない僕にとって、
このロゴマークが
もうひとつの顔となります。
これから大切に育てていこうと思います。

 


「本屋写真館」web


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