作家or妻、どちらとして生きる?/「天才作家の妻 40年目の真実」ー 中村克子

 

前回、大場 綾さんが紹介していた画家、
アントニオ・ロペスと
ジャコメッティにまつわる映画2本。

 

画家は納得がいくまで
絵を描き続けるという。

これだ!という見極めはどこなのか?

と素人は思う。

 

創作活動の大変さは計り知れない。
結局、作品が完成しないというのは
何だか切ない。
でも、結果より過程が大切なのかも!?
とも思う。
色々と想像が膨らむが結局、
画家の気持ちはわからない(苦笑)。

 

今回、紹介するのは
「天才作家の妻 40年目の真実」。
創作活動と言っても、こちらは作家の話。

 

そして主人公は作家の妻だ。
妻ジョーン役はグレン・クローズ
(ベリーショートが最高にカッコいい)。
天才作家と言われている
夫ジョゼフに対する嫉妬や怒り、
そして愛情なども混ざった
複雑な感情を表現している。

 

なぜ、妻は夫にこんなに
複雑な感情を持つのか。
それは、
妻が夫のゴーストライターを
しているからだ。

 

このことは夫婦だけの秘密。
娘や息子も知らない。
ゴーストライターを
するようになった経緯が、
物語の中で徐々に
紐解かれていくのがおもしろい。

 

物語の冒頭、
早朝にノーベル文学賞を受賞した知らせが
電話でくる。
二人は、ベッドの上で手を取り合って
子どものように飛び跳ねて喜ぶ。
老夫婦が無邪気に喜ぶシーンは
ちょっと意外な印象だったが、
物語が進むにつれて理解できる。

 

受賞の知らせの後、
二人の周囲はお祝いムード。
ジョーンは、自分が書いた作品が
評価されたことの喜びはあるものの
名乗ることはできない。
実際に称賛されるのはジョゼフだ。
彼女は、次第に夫に対する気持ちが
複雑になっていく。

 

物語の盛り上がりは
スウェーデン・ストックホルムで開かれた
ノーベル賞の式典。
ここでは、
ジョゼフの経歴に疑いを持つ記者が
二人につきまとうのも見どころ。

 

ジョゼフはスピーチで
ジョーンへの感謝の気持ちを述べる。
けれど、ジョゼフは
彼女の繊細な気持ちに気づいていない。

 

このスピーチが彼女の気持ちを
逆なですることになり、
離婚したいと大げんかに。
本当は、ジョーンは
一人の作家として堂々と

「私が書いた作品よ!」

と言いたかったに違いない。
人の気持ちは難しいものだ。

 

結局のところ、
しつこくつきまとう記者にも
ジョーンはゴーストライターであることを
言わなかった。
これは夫のためなのか、
自分のためなのか、家族のためなのか…。

 

この物語も色々と想像が膨らむ映画だ。

 

 

「青と夜ノ空」web


2020年12月28日 | Posted in 余談Lab, 映画に学ぶ, 中村克子 | | No Comments » 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA