たのもしい人 /「グロリア」 ー 大場 綾

トキワ荘の青春」、心に染みた。
タイトル通り青春としか言いようがない。

 

去年デジタルリマスター版が出たとのこと。
映像も去ることながら、
音声が格段によくなっているそうだ。
これから観る人には
そちらを強くお勧めする。
なぜならば、昔の版は
驚くほどセリフが聞き取れないから!

 

実際の寺田ヒロオは
みんなの頼れる兄貴分としての役割に
(買って出た部分があったとはいえ)
重圧を感じたりもしていたらしい。
演じる本木雅弘が美しくて繊細で、
そうだなあしんどかったかもなあと
納得してしまう。

 

頼り甲斐のあるたのもしい年上の人、
といえばジョン・カサヴェテス監督の
「グロリア」。
年齢差は「トキワ荘」よりだいぶ大きいが。

 

あるマフィアの会計士が
組織を裏切ったことがばれ、
住んでいるアパートに刺客がやってくる。
万事休すの瀬戸際、
会計士の妻は同じ階に住む友人グロリアに
6歳の息子フィルを託す。
直接は描かれないが、フィル以外の家族は
見せしめのために全員殺されてしまう。

 

グロリアは50歳〜60歳ぐらいのおばさんだ。
ピンヒールにウンガロのひらひらした服。
逃げ出す寸前に大事な服と靴を詰め込んだ
トランクとショルダーバッグを手に
(猫も連れ出したがアパートを脱出する前に早くもリリースしてた。鉄火場の最中も悠々と歩く猫は、一匹でも生きられそう)、
口が減らない上に
言うことを全然きかないガキを連れて
ニューヨークの街を上を下へと逃げ回る。
携帯もない時代なのに、行く先々に
必ず現れて追い詰めてくる
マフィアがやばい。

 

グロリアはまったく怯まない。
常に冷静で動きに無駄がない。
突然の展開にも即対応。
殺すべき時はためらわず発砲。
天涯孤独になったフィルに甘くもない。
トランクも手放さない。

 

鋼の胆力が服を着てハイヒールで走ってる。
危機管理のお手本として心に刻みたい人だ。

 

ファッションチェックグロリア
(フィルはずっと同じ服)


大場 綾ブログ「kusamura.com」


2021年03月15日 | Posted in 余談Lab, 映画に学ぶ, 大場綾 | | No Comments » 

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