難しい土地に建てる ー 石黒隆康

 

住宅の設計をしていると、
色々な土地に巡り会います。
開発された分譲地なら
正方形や長方形の土地で、
高低差もなくて楽に設計ができそうです。

 

一方、難しい土地というのがあります。
住宅密集地でよく目にしますが、
道路から巾2Mほどの路地を通って
建物の建てられるスペースに
たどり着く敷地。
これを「旗竿敷地」と言います。
敷地の周囲に建物が
密集して建っているので、
暗くなりがちで、
設計者はどうやって
光を取り込むか腕の見せ所です。

 

また、別荘地や郊外では、
敷地が斜面になっていたり、
崖になっていたりと、
3次元で考えないと
解決しない敷地もあります。

 

富士山の見える甲府市で、
今から5年前に完成した住宅は、
元々ぶどう畑だった所に建てました。
敷地が30度ほど傾斜した斜面地の上、
道路と敷地の高低差が3Mほどありました。

 

それだけでも難しい土地なのに、
住まい手からは、

「斜面を生かした設計をして欲しい、
富士山も見たいし、
庭とつながる工夫も欲しい…」

と無理難題をリクエストされました。

 

一番簡単なのは、
斜面に土を盛ったり削ったりして、
平らな場所を作り、
そこに家を建てることです。
でも、それだと面白味がなく、
リクエストに応えたことになりません。

 

何ヶ月も考えて、たどり着いた答えは……。
まず建物をL型にして、
更に斜面に対して建物を斜めに置く…。
なにを言っているか分からないと思います。
(書いてるほうも分からなくなってきました・笑)

 

要は、富士山がキチンと見えて、
1階のリビングから
楽に庭にアクセス出来る方法を、
時間を掛けて検討したということ。
図面だけでなくて模型を作ったり、
なかなかの苦労でした。

 

それでも完成してみると、
富士山も甲府盆地の夜景もバッチリ見えて、
庭ともつながることができて、

「良かったな…」

と嬉しい瞬間が待っていました。

 

 


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2021年05月02日 | Posted in 余談Lab, ひらめきのタネ, 建築家 石黒隆康 | | No Comments » 

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