はじめての趣味 ー 真子みほ

 

趣味は?

と聞かれて
素直に答えられたことがありませんでした。

 

「芸術鑑賞」は半分仕事ですし、
「読書」はご飯を食べるのと同じだし、
「映画鑑賞」も「旅行」も
趣味というとなんか違うな、強いて言えば
「好きなこと」かな、と感じていたのです。

 

しかしここにきて
初めてこれが趣味というものか、
とわかったことがありました。
庭いじりです。
文字通り、庭をちょこまかと
いじり続けることが休日午前中の
過ごし方になっています。

 

じーっと小さい庭をパトロールして、
雑草を抜いたりバランスを見たり
枯れた花を取り除いたり。
何時間でも眺めていられます。
完全に庭と私だけの時間です。
他のどこともつながらない、
完全にオフになったこの感じが
趣味ってことなのかなと。

 

よく「趣味を探そう!」と呼びかける
イベントやサイトがあったり、
定年退職間際の職員に
趣味を見つけるための講座が
開かれたりするのを、
白い目で見ていたのでした。

 

仕事一筋ではなく
余暇を楽しんでこその人間らしい生活、
という理論はわかるのですが、

「専門としてでなく、
楽しみとしてする事柄」(広辞苑)

である趣味を、なんで他人に
干渉されなきゃいけないのかと
もやもやしていたのです。

 

けれど、完全にオフの状態になることが、
奨励されている意味での趣味なのであれば、
皆がここまで言うのもさもありなんと、
ようやく気付きました。

 

指図されて作る趣味には
やっぱり薄気味悪さを感じますし、
現実逃避とも違うのですが、
ほっておくと常にオンの状態で
過ごしてしまう日々に、
バランスがもたらされた気がしています。

 


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