くせになるえげつなさ /「ハピネス」ー 大場 綾


書けなくてギーっとなってる次女

 

ヤコブへの手紙」の主人公レイラ。

 

元終身刑の受刑者で、
よほどのことをしたなと思わせる
態度と見た目。
そういう偏見を持っている私。

 

眼光、年頃、体つき、
スティーブン・キング原作の
映画「ミザリー」で
キャシー・ベイツが演じた女にそっくりだ。

 

「ミザリー」は「一番のファン」を
自称する彼女が作家を監禁し、
小説で死なせたヒロインを生き返らせろと
物理的にも心理的にも脅迫して
追い詰めていくホラー。

 

「ヤコブ」がホラーではないことは
さすがにわかるものの、
終盤で咽び泣くことになるとは
予想外だった。
毎度のことながら、
素敵な映画を教えてくれて感謝感謝です、
克子さん

 

「ヤコブへの手紙」は
レイラと、年老いた盲目の牧師の話。
と同時に、姉妹の話でもあると思った。

 

私は姉の妹だ。
姉妹が出てくると
つい身を乗り出してしまう。
中でも忘れられないのが
トッド・ソロンズの「ハピネス」だ。
美しい三姉妹、美しい音楽、美しい映像、
そしてえげつない人間模様。

 

いつまでもふわふわして
定職につかない三女。
ギターをかき鳴らして
ふわふわした歌を歌ってばかり。

 

ベストセラー小説家の次女。
成功してるけど次回作が書けなくて
のたうち回る日々。

 

専業主婦として裕福な暮らしを送る長女。
自分の人生に一ミリも疑問を持たず
挫折も知らない人特有の傲慢さと
全能感で妹たちを見下している。

 

そこに長女の夫と息子、次女の隣人、
などの人生模様も絡むが、
感情移入できる人物皆無。

 

長女の夫が涙にむせびながら
つらい告白をし、
やはり泣きながらそれを聞く息子、

というシーンがある。
名シーンふうだがこっちは

「えっお父さんつらいのそこ…??」

と唖然。
どんな顔をしていいかわからない。

 

ラストシーンはこの少年が
おじいちゃんに向かってある報告を叫ぶ。
これもどんな顔をして
受け止めればいいのか。

 

底意地の悪さの更に底に
優しさが潜んでいるの?

と思わせる。
そんな映画。

 


息子の質問に泣きながら答える長女の夫

 


大場 綾ブログ「kusamura.com」


2021年07月18日 | Posted in 余談Lab, 大場綾 | | No Comments » 

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