現代のイランの生活を描く/「ホテルニュームーン」 ー 中村克子

 

ウズベキスタンを舞台にした
旅のおわり世界のはじまり」。

 

私がこの映画のことを知ったのは、
『ウズベキスタン日記』という
旅エッセイを書いた
「Blood Tube(ブラチュー)」の
お二人の話から。

 

ウズベキスタンと聞いても
あまり馴染みがないと思ったが、
海外旅行が好きな人にとっては
人気が高い国だそうだ。

 

大場 綾さんが書いていたように、
前田敦子が演じる主人公、
葉子は淡々と仕事をがんばる。
印象に残っているのは、
撮影で移動遊園地のような場所に行き、
回転する乗り物に気持ち悪くなりながら、
何度も乗るシーン。
彼女のがんばりすぎる姿を見て、
ちょっと笑ってしまった…。

 

葉子はウズベキスタンの街を歩き、
バスに乗り、
市場や劇場などさまざまな場所を訪れる。
フィクションではあるけれど
そこに映っている、知らない街の風景や
そこに住む人々を観ることができるのは
映画のいいところ。

 

そこで思い出したのが
イランのテヘランを舞台にした
「ホテルニュームーン」
(筒井武文監督の作品)。

 

イランについては、ニュースで知るような
政治や社会情勢の情報がメインで、
実際に人々がどんな生活をしているかは
あまり知らない。

 

主な登場人物は母のヌシンと、
大学生の娘モナの親子。
イスラム圏の女性は、
「チャドル」という全身を覆う布や
「マグナエ」という頭巾のようなものを
かぶっているそうだが
(Blood Tube著の『イラン・ペルシア日記』参考)、
娘のモナは結構カジュアルな装いだ。

 

テヘランの街は、
イランの中でもかなり都会なのだろう。
2人が住むアパートは小綺麗な雰囲気。
それにスマホも使うし、カフェにも行くし、
生活は日本と
それほど変わらないかもと感じた。

 

母と娘の関係は万国共通で、
母親は一人娘のことが心配で
門限を設けたり、厳しい態度をとる。
そんな母親に娘は少々うんざりしている。

 

ストーリーは
“ 静かなスリルとサスペンスに満ちた、母と娘の愛の物語 ”
と公式サイトに書いてある。
母と娘の愛の物語ではあるけれど、
それほどスリルとサスペンスには
満ちていなかった…というのが正直な感想。

 

娘のモナは母親のヌシンから、
父親は自分が生まれる前に
亡くなったと聞いていた。

 

しかし、あることをきっかけに
自分の出生に
何か秘密があるのではないかと疑い、
調査を始める。
キーパーソンとなるのは
永瀬正敏が演じる日本人の男性、田中。

 

ちなみに田中の奥さん役は小林綾子。
海外でも人気の高い日本のドラマ
「おしん」の子役として有名だ。
イランでも「おしん」は人気が高いらしい。

 

「ホテルニュームーン」は
現代のイランの暮らしを
垣間見るという点で、
とてもいい映画だと思う。

 

デザイン会社「Blood Tube(ブラチュー)」のお二人が綴った旅エッセイ『ウズベキスタン日記』と『イラン・ペルシア日記』。それそれの国の文化や習慣、食生活などが紹介されている

 

「青と夜ノ空」web


2021年10月28日 | Posted in 余談Lab, 映画に学ぶ, 中村克子 | | No Comments » 

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