150人の生活 ー 真子みほ

 

一昨年プロジェクトの存在を知ってから、
ずっと楽しみにしていた本がありました。
社会学者・岸政彦さんの
『東京の生活史』(筑摩書房)です。

 

岸政彦さんの著作はほとんど読んでいるし、
今年はオンラインの講座まで
受けていたくらい、
ただのファンでもあります。

 

岸さんは大阪在住で沖縄をフィールドに
研究を続けている方ですが、
様々な人たちの、
生活を語る言葉を掬い上げ、
状況をゆっくり浮かび上がらせていく
その文章が大好きなのです。小説も良い。

 

そんな岸さんが指揮を執る
このプロジェクトは、
150人の聞き手を募集し、
聞き手が話し手を選び、
その東京で生活する人たちの
インタビューをまとめたもの。

 

6月くらいに情報が出てから、
この本を買って読むことが一番の楽しみで、
珍しく本屋さんで予約までして
ワクワクと発売日を待っていました。

 

手にした本は、
1216ページ、厚さ5センチ、重さ1.4キロ。
目次だけで短い物語を
読んでしまったくらいのボリュームです。

 

この厚さのなかに150人分の人生の断片が
詰まっているかと思うと、
気が遠くなります。
有限だからこそ無限に想像を広げていける、
改めてモノとしての
本の形態って素晴らしいですね。

 

まだ数編しか読んでいませんが、
語り手と聞き手の関係性も
うっすら浮かび上がってくるのが楽しい。
どうも砕けた会話だなと思ったら
母娘だったり、苦労したことを中心に
聞きたがっていたり。

 

それからこの本は1200ページ越えなのに
4200円という筑摩書房の経営が
心配になるほどの破格の値段設定。
もう1冊買って誰かにあげようかなと
考えています。

 


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