役に立つ仕事 ー 真子みほ

 

緊急事態宣言が明け、
美術館には小中学校からの来館依頼が
どっと入ってきています。

 

先日中学2年生の3人が
職場訪問にやってきました。
いくつか質問を用意してきたと言うので、
はいどうぞと始めたら、

「この仕事はどんな役に立ちますか?」

ときました。

 

思わず

「役に立つ? 役には立ってないと思う」

と言ってしまいました。

 

「例えば同じ展覧会を見ても
役に立ったと思う人もいれば
そうでない人もいる。
10年後にそういえばと
思う人もいるかもしれない。
なににどう役に立つかわからない。
そんな仕事です。
そういう仕事があるのがいいと思ってる。
そう信じて仕事してる」

と返しましたが、博物館法に

「国民の教育、学術及び文化の発展に寄与することを目的とする」

とあっても、
役に立つかどうかを決めるのは
結局受け手側なわけです
(あぁこう言えばよかったのか!)。

 

さらに私が教育普及事業をしている理由は、

美術や美術館を使える人が増えてほしい、
そうすれば楽しく生きる
アイテムが増えるから良いよね!

くらいの気持ちなので、
役に立つと言われると、
恐ろしく違和感があります。

「役に立つってなに?
そもそも役に立たないといけないのかい」

と、もう少し話がしたかった。

 

一人は、

「人の役に立ちたいから公務員になりたい」

と自己紹介カードに書いていて、
そのイメージが
どこから来るのかについても
本当は話を聞きたかった。

 

時間も長くなってしまいそうで
それ以上突っ込めなかったのですが、

「え~役に立つ?」

とひどい回答をしてしまう
大人を見たことは、
少なくとも社会を知る
「役に立った」のかもしれません。

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です