家具について 2 ー 鶴岡達悦

 

こないだまで使っていた
イチョウ材のまな板は、
工務店を営んでいる先輩に
いただいたものです。

 

以前住んでいたアパートのキッチンに、
大家さんの許可を得て
据え付けの棚を付けてもらった時に、
他の現場で出た端材が
まな板にちょうどいいから
よかったらという事でもらいました。

 

棚の設置工事をしてくれたのは、
工務店のロゴを
友人とデザインさせてもらい、
工房のシャッターにそのロゴを
ペイントしたお礼としてのものでした。

 

ちなみに一緒にデザインした友人は、
前回の話にも出てきた
今は岐阜の高山で家具作りを
やっている友人です。

 

そのアパートから
二軒目の引越し先のシンクと
冷蔵庫の間には、まな板の幅と
ジャストサイズのスペースがありました。
そこに置く調理台が欲しかったタイミングで、
友人から「アートを生活の傍に」を
活動コンセプトとした、制作、
展示のお話をいただきました。

 

その都度決めたテーマをもとに
展示するグループ展「apARTment」の
僕の参加した回のテーマは住居で、
表現の媒体は問わないものでした。
僕は調理台を作って
出品することにしました。

 

調理台の天板は白地で、
右上の欠けた黒い長方形が描かれています。
この長方形は一分欠けているまな板の
置く場所をしるしたものです。

 

 

サザエさんが置かれているのが
例の調理台です。
ふた部屋しかなかったので、
当時はまだ彼女だった妻が
寝た後の深夜、作業台としても
使っていました。

 

この台を出展した時の案内書を
久々に読むと、
トヨタ式整理法に言及しています。

 

“ 物を置く位置を固定するそうで、その場の下に、その物の形を描くとなおいいとのことです。まな板を置く位置は自然と定まる物ですが・・。”

 

トヨタ式に触発されてはいますが、
その整理法の効用よりも、
単純に白地に黒のバキッとした絵が
描きたくなってのものでした。
ただのまな板ではなくて一部欠けた、
特徴のあるまな板だったのも要因です。

 

10年ほど使って大分やれたまな板は
今ではコンポストの部材の一部となり、
調理台は棚を組み替え
テレビ台となっています。

 

きっとまた形や使われ方は
変わっていくんだろうな。
かつては想像しなかった使用法が、
必然性を持って利用されるって
ちょっと不思議な気がします。

 

 


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