毎日ゴール ー 酒井義夫

 

Q:なぜ木地師になったんですか?
A :  たまたまです。

 

このやりとりを
これまで何度となく繰り返してきました。
キョトンとされることがほぼほぼなのですが
僕自身は正直にそう思うのです。

 

なぜなら僕は何かしら明確な目標があって
今ここに立っているわけではないからです。

 

最近、改めてこれまでを振り返って
気づいたことが一つありました。

 

僕の地元北海道では
毎年盛大な雪祭りがあります。
そのお祭りでは
巨大な雪像を作るアルバイトがあり
数年間、僕の冬の
ルーティーンとなっていました。
それはそれは巨大な雪像です。

 

 

そのバイト中ですが
何故か僕は会場の音響をジャックして
勝手に自分の好きな音楽を
大音量でかけていました。
今思うとそんなことが
なぜ許されていたのかわかりません(笑)

 

1日のバイトが終わり雪像のてっぺんで
好きな音楽を聴き至福の時間を過ごす。
この体験はその後の僕の人生を
決定づけたのかもしれません。

 

福井に来るきっかけとなった木工メーカーでは
勝手に音響機器を持ち込み
スピーカーをつけて爆音で音楽を鳴らし、
その後勤めたパン屋でも
自前のスピーカーを持ち込み、
どちらも音楽は制限されたり
禁止になったりしました。

 

時は流れ
今、僕の仕事場では毎日音楽が流れています。

 

 

もしかしたら僕はただただ音楽を
自由に鳴らしたかっただけなのかもしれません。

 

雪像の上でのあの日々が原風景となり
今の僕を形作ってる。

 

木地師という仕事自体はたまたまのオマケで
僕はすでにあの時点でゴールしていて
今も毎日ゴールし続けている。

そんな気すらします。

 

目標を持ちなさい。
もちろん大事なことだし
そこへ邁進することは
とても素晴らしいことだと思います。
ただ、こんな一度も目標を持ったことがない
いい加減な僕もそれなりに生きています。

 

あなたも今この瞬間
ゴールしているかもしれません。
そうは思えなくても僕のように
数十年後そうだったのかなと気づくこともある。
意外とゴールは近くにあったりもする。

 

少しそんな風に人生を
気楽にとらえてみてもいいんじゃないかな。

 

では、また。

 


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