No Alarm, No Life? ー したたむ(夏樹)

 

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辺りはまだ夜と言ってもいい程暗い

 

室温は-1℃
スヌーズとの格闘の末
白い息を吐きながら
泥沼から這い出るように
ベッドから起き上がる

 

このままもう一度布団に潜り込めたら
もう少しぬくぬくしたいなぁ
この少しの時間だけでも
布団をかぶって中で元気を貯めよう

 

ハッ!いかんいかん!
兎に角部屋の電気をつけなくては!

 

枕元に置いたリモコンで電気をつける
眩しくて目が勉三さんと同じ「3」のまま
何とかベッドから這い出て上着を羽織り
ヨロヨロとトイレへ向かい用を足し
それから洗面所へ行き
顔を洗って歯磨きをする

 

ここでようやく
フワフワとねぼけていた頭が
身体と重なり完全に覚醒
キッチンへ向かい仕込みを始めるのだ

 

 

これは冬季、お店の営業がある日の
朝のルーティーンである

 

ルーティーンの起点は
iPhoneのアラーム音
一日の全てはそのアラームから
連鎖的に産まれているのだ

 

アラームが鳴り起きて仕事をする
アラームが鳴り
仕事が出来るからお金を稼げる
アラームが鳴り仕事をし
お金を稼げるから生きていけている
アラーム様様なのである
もうなんだか
神様の名前のように思えてきた
アラーム様が存在しない世の中を
想像してごらん

 

 

No Alarm, No Life
私より早起きが苦手なパートナーが
どこかで仕入れた
早起き出来る必殺技が凄いと言う

目覚ましが鳴って止めた瞬間大声を出す

これで朝が苦手な人でも
難なく起きられると言うのだ

 

中々アグレッシブな方法で
興味をそそられたが
その大声を聞いた起きたくもない人が
起きてしまう恐れがあるではないか

 

人のアラーム音に起こされる程
不愉快なことはない
ましてやこの場合は奇声だ
迷惑至極なのは言うまでもない

 

また仮に夫婦が同時刻に
アラームをセットしたとしよう
ダブルの奇声に近隣住民は
警察を呼んでしまうかもしれない

 

もっと良い必殺技はないものだろうか

早速試してみる、

と意気込むパートナーだったが
今朝はその必殺技の発動は
失敗に終わったらしい

 

「したたむ」web


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