いつも聞かれる質問に答えてみた。 猟師と猟期の仕組み。 ー 中村まや

 

猟師になってから

「いつでも猟をしていいの?」

と聞かれることが多いけど、
答えは

“ 人による ”

と曖昧になる。

 

ざっくり言うと、
「有害駆除(春夏)」と「猟期(秋冬)」
に分かれていて、
その人の状況によって
猟ができる期間も
動物の種類もさまざまだ。

 

有害駆除とは、自分が暮らす町に
増えすぎている有害動物の
駆除隊として活動をすること。
駆除すると謝礼がもらえる。
活動は春から夏。
住んでいる町でのみ駆除ができるので、
住んでいる町がそもそも害獣で
困っている場所でないと
駆除はできない。
つまり、東京都23区内など
都会に住んでいると駆除は難しい。

 

もうひとつの猟期の狩猟というのは、
自分が住んでいる町ではないけど、
狩猟をしたい都道府県に
お金を払って申請をして、
秋から冬の猟期に猟をすること。
謝礼はもらえない。
自分の住んでいる地区では獲れない
獲物がいる県で猟をしたり、
この時期ならではのコール猟ができたり、
他の場所に住んでいる猟師仲間とも
一緒に猟ができたりと、
住んでいる町以外で
いつもと違う猟が楽しめる。

 

つまり、
春から夏にかけて猟をしている
(有害駆除の)人は、
自分の住む町を守るために、
その土地の猟師が
その土地の有害動物の
個体数の調整をしている。

 

 

“ 猟をする ”

と一括りにされることが多いけど、
実は有害駆除と猟期の狩猟では
モチベーションや
仕組みにけっこうな違いがある。

 

ちなみに私は東京在住で
鹿や熊が出るような場所ではないので
駆除ができない。
言い換えれば、
“ 都内に住みながら猟師をやる ”
ということは
“ 駆除ができない=お金にはならない ”
のだ。
もちろん、そこから精肉したり
鞣して皮を販売したりするならば
話は別だが。

 

そういえば、最近

「猟師になりたいんです」

なんて言葉をあちこちで耳にする。
狩猟免許の申し込みは
定員数をすぐに達してしまうほど
人気らしい。

 

でも、
「お金にならない」とか
「思ったよりしんどい」ようで、
やめてしまう人も多い。
なにか利益を得ることが目的だと
なかなか継続が難しい
世界なのかもしれない。

 

逆に、人間としての
野生の本能があったり、
その感覚を育てたいと思っている人が
続いているような気がする。

 

最近、写真家の星野道夫さんの
展示会に行ってきたのだが、
そこには

「真の猟師は本能そのもの」

みたいなことが書いてあった
(撮影禁止だったからニュアンスまで正しくないと思うけど)。
この言葉にすごく共感した。
私は、人間として本来の力を
取り戻したくて
猟師をしているような感覚がある。

 

例えば、日の出とともに目覚めて
猟にいき夜になったら
自然と寝てしまうとか、
山をたくさん歩いて
ヘトヘトに疲れるとか、
植物や動物の気配を五感で感じるとか、
季節の訪れを山を歩いて感じるとか。
撃ったり、捌いたり、
そういう行動だけが猟師なんじゃなくて、
自然の一部に溶けこめているときに、
自分の芯まで猟師のような気がする。

 

猟師と言えど目的も想いも
みなそれぞれだけど、
私は本能を大切にしたい。

 


mayamon78 Instagram


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