パタンナーと米農家 ー 赤木美名子
このコラムを書きはじめるにあたり、
「 2足のわらじ」の正しい意味を
理解しておこうと、26年共に過ごしている
国語辞典を開いてみた。
【二足のわらじ】
同じ人が(両立しないような)
二つの職業を兼ねること。
〔ばくち打ちであると共に捕吏であるような
普通の意味では矛盾する関係を
あわせ持っている意にも用いられる〕
とのこと。
改めまして。
はじめまして、*パタンナーと米農家の
2足のわらじ履きです。
昨日、ぬかるんだ田んぼに入り
ひたすら手刈りという
修業の日々が終わって、
ほっと一息つくはずが
この原稿の締切日を1日勘違い。
提出は1日遅れ、
初回から問題児として華々しくデビュー。
控えめな夫が日本酒を造りたいと言うので、
たまには夫の想いにも沿ってみようと
大ばくち。
東京から新潟県上越の4軒の
小さな小さな集落へ移住し、
山奥で両立しないような
2つの職業を兼ねて農的暮らし。
夫も念願の[蔵人と米農家]で
2足のわらじ履きだけれど、
山奥で [ パタンナーと米農家 ] という
2足のわらじ履きのほうが
先の国語辞典によると普通の意味では
矛盾する関係をあわせ持つらしいので
面白がられる。
わたしはパタンナーという
仕事を続けるにあたっても、
ここへ来てよかった。
静かな環境のおかげで
深く集中することができる。
豪雪地のダイナミックな
四季の移り変わりの中で
五感や六感までもが刺激され
創作意欲が掻き立てられる。
パターンをひいていて行き詰ったときには
気分転換に棚田へ行き、
農作業をして一汗かく。
パタンナーと米農家という
2足のわらじ履きの相乗効果、
この暮らしをはじめてから知ることができた。
それから、もう1つ知ったこと。
米農家は稲作と共に風景を
作っているということ。
特に今回の写真のはさがけの風景は
農民の暮らしから生まれる
芸術だと思っている。
農業はクリエイティブな職業なんだ!
パタンナーと米農家は
矛盾なんてしていない。
*パタンナー
パタンナーとはファッションデザイナーが描いた平面のデザイン画を人体が着用する立体にするために型紙(パターン)を設計作成して縫製の方法や工程などの指示もする
▼アンサーfromながい
二足の草鞋大変そうですが頑張ってください。応援してます。